自治体の目玉施策を考える その4 FC岐阜支援について 岐阜市
こんにちは。
今回、下記ニュース記事を拝見したのとFC岐阜と岐阜県の特殊な事情を考えて取り上げました。
ある自治体における騒動
記事によると
松本市が2000万円を運営母体である株式会社松本山雅に出資したのは一営利企業への支援であり、市財政に損害を与えたとして住民グループが市長と副市長を背任罪で告発している。その後2014年2月に松本市に対して住民監査請求が提出・受理され、4月に監査結果が通知されました。
Jクラブと自治体の関係
http://www.jleague.jp/img/about/document/jnews-plus/014/vol014.pdf
Jクラブと自治体によるまちづくり
https://www.jeri.co.jp/solutions/pdf/solution_01.pdf
Jクラブの存在が地域にもたらす効果に関する調査
これらによれば、Jクラブ活動によって自治体はイメージアップや宣伝を行え、青少年の育成やコミュニティーの形成、まちづくりへの発展・寄与が得られる。したがって、自治体がJクラブに資金を投じることに一定の意義がありそうです。
FC岐阜にみる自治体の支援
http://mainichi.jp/articles/20150501/ddl/k21/050/123000c
上記毎日新聞より
クラブハウスは岐阜市が総事業費約3億円で北西部運動公園(同市曽我屋)の西側約3000平方メートルに建設する計画を進めており、今年度当初予算に2億6572万円を計上。6月に着工し、16年1月末までの完成を目指している。県市長会は4月30日、今年度初の会合を開き、サッカーJ2のFC岐阜を支援するため、J1ライセンス取得に必要なクラブハウスの機能整備費用として2000万円を助成することを決めた。
岐阜)FC岐阜入場券など半額割引 県が支援に国交付金:朝日新聞デジタル
FC岐阜の実情
FC岐阜は2008年のシーズン終了時には3億366万円の累積赤字と1億4,616万円の債務超過でした。
このため、岐阜FCは2008年シーズン終了後にJリーグより公式試合安定開催基金から5,000万円の融資を受けています(ザスパ草津に次いで2例目)。
さらに2012年6月20日、岐阜FCは2012年シーズン終了までに1億5,000万円の資金が不足し、7月末までに1,000万円の資金ショートが発生するとの見通しを示していました。何とか資金ショートは回避できたものの、Jリーグは経営が悪化している岐阜FCについて2013年度のライセンス交付に厳しい姿勢を示していたが、J2ライセンスの交付を受けました。その後Jトラストなどの支援を受け現在に至っています。(ウィキペディアより)
岐阜県という特殊事情
岐阜県には岐阜市や大垣市を要する西濃地方と多治見市などの東濃地方、高山市などの飛騨地方があります。多治見に在住する友人らに聞きますと岐阜市へ行く機会は稀で大学入試のセンター試験で行くぐらいなんだそうです。確かに多治見市から岐阜市へはローカル線の太多線か名古屋経由で行くしかなく1時間ほど掛かってしまいます。他方、多治見市から名古屋市へ30分足らずで着いてしまい、名古屋市のベッドタウンとなっています。高山市などでも北陸新幹線の開通により以前にも増して北陸からの観光客が多いようです。「ハゲタカ」で有名な作家の真山仁さんも(以前新聞社で岐阜支局に在籍)岐阜県は東濃地方は名古屋の方を向いていて、飛騨地方は北陸の方を向いている、特殊な県というようなことを語っておられました。
まとめ
上述のとおり、現在ではFC岐阜は債務超過状態から脱していますがそれはJトラストや恩田さんが私財を投じた結果に過ぎません。今後継続した私財の投入は困難でしょう。そもそも赤字であるのは市民などから地元チームとして定着しておらず観客収入が得られていないことが要因のように思われます。
また岐阜県内が一丸となっていないことも大きいことのように思います。真山さんがおっしゃるように東濃地方や飛騨地方が西濃地方を向いておらず、そっぽを向いていることは地理的状況によるもので普遍です。そうだとしたらFC岐阜が県全体のコミュニティーの形成やまちづくりに寄与するというのは幻想にしかすぎないのです。
確かクラブハウスが整備されていることはJ1昇格の条件だったと思います。数週間前にはJ2最下位争いをしていたのですから、気が早い気が・・・。岐阜市で思い出すのは織田信長の黄金像を青年会議所が建てようとして資金が足りず建設途中で募金運動をするという光景です。今回は予算内で建設されますから大丈夫でしょうが昇格が出来なければ無駄遣いに終わってしまうでしょう。また県の入場券の割引に交付金を使うことも一部のファンに公金が直接いきわたり平等でなく、公金が西濃に偏って使われる点でも公平でなく問題のように思います。