集団討論議題 その4 児童虐待を減らすには
最近よくニュースで痛ましい記事を耳にします。そこで、そのような児童虐待を減らすにはどうしたら良いでしょうか?考えてください。
1 虐待の背景・要因
①家族をとりまく環境要因
核家族化が進み、育児の悩みを相談できる相手が家庭にないこと
派遣や非正規などで生活がままならない、失業などの経済的不安
特に都会やマンションなどで地域者からの孤立
②親の要因
親自身が虐待や育児放棄された経験を持っていること
親が成人間もないなど幼稚で命の大切さや幼児のはかなさを理解できないこと
子育ての不安・ストレスのはけ口がないこと
育児に完璧さを求めていること
アルコール依存、スマホ・ゲーム中毒
③子ども自身の要因
障害や癇癪を持っていること
連れ子などで新たな親へ馴染めていないこと
2 海外の先進事例
上記のとおり複雑な要因が絡まっており、具体的な対策が考えづらい状況です。では海外ではどのように取り組まれているのでしょうか。海外で効果的な取り組みがあれば、日本でも役立てられるかもしれません。
第2章 第4節 海外における児童虐待防止に向けた取組の状況:文部科学省
韓国、親による児童虐待の共通点とは?=韓国ネット「厳しく処罰する法律が必要」「社会全体で子供たちを守らないと!」 - エキサイトニュース
残念ながらアメリカなど海外でも児童虐待は増加傾向にありますが、効果的な策を打ち出せていません。
3 日本での対応
児童虐待防止対策・DV防止対策・人身取引対策等 |厚生労働省
「学校等における児童虐待防止に向けた取組について」(報告書):文部科学省
2 児童虐待を防止するとともに、社会的養護を充実する|平成25年版 少子化社会対策白書(全体版<HTML形式>) - 内閣府
子ども虐待とは | 子ども虐待について | オレンジリボン運動 - 子ども虐待防止
自治体をはじめ地域や家庭、学校などで全体として地道に取り組んでいくしかありません。現代の閉塞的な状況で親が弱い子どもをはけ口として虐待されているのが多いように思います。育児に完璧はなく、子の発達も三者三様であることへの啓蒙ももっと必要でしょう。ニュースでは市や学校との連携ミスや職員が家庭内へ立ち入れないことが発覚を遅らせていると報じています。連携は徹底することで、立ち入りは条例等の変更により可能となります。少子化の中、子は世の宝ですし、虐待は肉体的精神的にその後の成長を妨げますから可及的に防止する必要があります。地域の人が他人の家庭にあまり関心を持たなくなっているのも問題です。他人の子でも泣いている声を聞くのが多ければ、それはその子のSOSのサインです。他人の子を自分の子のように思えば、無関心ではいられないとおもうのですが。
別の顔を持つ女、夜の顔を持つ男
こんにちは。
先日NHKの「さきどり」で民間会社が副業を始めることで従業員の視野が広がったり、いろんなことにチャレンジしていく姿勢に変わっていく姿を放送していました。
でも、公務員は副業禁止だしなぁと思っていたところ、じゃあ非営利活動ならどうなんだろう?と思いググってみると
『地域に飛び出す公務員ネットワーク』
公務員は、役所で公共的な仕事をしていますが、公共への関わり方はそれだけではないはずです。NPOやボランティア、PTA、町内会、おやじの会・・・ど んな活動でもいいから、公務員もアフターファイブや休日には、仕事外の活動に参画し、地域おこしや社会貢献をどんどんやろうじゃないか!
こんな想いを持つ全国の国・地方の公務員が、所属や役職を問わず参加しているのが『地域に飛び出す公務員ネットワーク』(以下『飛び出すネット』)です。
1億総当事者の社会を目指し、公務員がその第一歩を踏み出す
頻繁な部署異動によって当事者意識が薄くなってきた昨今、今一度誰のために仕事をするのかを再認識し、地域の人とともに一歩を踏み出そうという趣旨のようです。
官民融合でパワー倍増
地域の人と腹を割って行動することで、信頼を得られ縦割りの弊害から解かれ実力を発揮できる、とのことです。
地域に不可欠のNPO
もはやNPOは自治体を補完する地域に不可欠の団体となっています。
所見
確かにデスクワークばかりだと住民とは窓口や電話でしか接することがなく、地域の実情に合っていない施策をしてしまったり住民との合意形成が難しかったりするなどの弊害があります。上記アウオードのように地域創生や町づくりにはこうした取り組みが合っているんだろうと思います。また下記生活白書にあるようにNPOには行政にはない柔軟性があります。双方がうまく補い合えば本当に良い地域社会が形成できそうです。このような活動がもっともっと広まり、当たり前になってくることを望みます。
集団討論議題 その3 投票率を上げるためには
こんにちは。
選挙の投票率が低下しています。特に20代、30代が低水準にとどまっています。では、投票率を上げるためには、どうしたら良いでしょうか?
1 そもそも投票率を上げる意味は
新聞などメディアも投票率が低い、もっと上げる必要がある旨書いています。一般的に言われるのは組織票などにより利権構造が生まれたり、腐敗政治が行われやすくなるという点です。しかし投票率が高くても利権構造は少なからずあるでしょう。投票率が低いのは、国民が現状に満足している、平和の証だから別にいいじゃないの、とも思えます。若年層の投票率が低く若年層への対策が低いのも、彼らの選択による責任にも思えるのです。もっとも若年層の投票率が上がれば若年層の声が高まり、若年層へ向けた政策などへの議論が活発化しそうです。支持が多様化することで内容の濃い議論となりえます。そのため投票率を上げる意味はあるように思います。
投票率が低いって本当に悪いこと? 12.16選挙 記録的な低投票率について考える WEDGE Infinity(ウェッジ)
2 海外の投票事情
3 投票率を上げるには
選挙をアメリカのようにイベントにする
ハロゥインはいつの間にか日本の行事になって、多くの若者が仮装する日となりました。また今回の熊本大地震では多くの芸能人が炊き出しなどのボランティアに駆けつけ、ボランティアが芸能人にも浸透してきたと思うとともに「カッコイイ」というイメージになってきていると感じています。そうだとすれば、選挙も一つのイベントして、かつ「カッコイイ」イベントにしうるのではないか、と思います。
投票しないと不便にすることも
投票しないと罰金となったりすることは行き過ぎですが、助成を受けている人などは制限されてもしょうがないんじゃないと思います。そう言うと投票しない権利もあると言われそうですが、果たしてその権利は投票する権利と同等でしょうか?
選挙を身近で関係あるものに
自分から遠い存在として政治を見ているから、投票にも足を運びにくいと思います。なので、校則や市町村の条例を作るのに討論会を開くなどして自分の利益に直接関わってくることを認識する必要があります。
投票所へ行く手間を省く
インターネット投票や駅・コンビニ等で投票ができると便利です。
選挙活動の多様化
ネットでの選挙活動が今まで制限されていましたが、お金の掛からない選挙にネットは不可欠です。討論会はもっと増やすべきです。声を枯らし名前を連呼するばかりの選挙はさすがにウンザリです。
日本でも参考になる?選挙投票率を高めるスウェーデンの方法がすばらしい。 | Tatsumaru Times
個性的な公務員 おとなしい人=公務員じゃなかった その6
こんにちは。
今回は復興庁事務次官の岡本全勝さんです。
http://mainichi.jp/articles/20160407/org/00m/010/031000c
毎日フォーラム 霞が関トップに聞く
東日本大震災 復興が日本を変える-行政・企業・NPOの未来のかたち
- 作者: 岡本全勝(復興庁事務次官),藤沢烈,青柳光昌,岡本全勝
- 出版社/メーカー: ぎょうせい
- 発売日: 2016/02/27
- メディア: 単行本
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上記本は以前に紹介しました藤沢烈さんも載っておられます。
官僚主義の打破
官僚批判に前例主義と縦割りがあります。新しい課題が生じても「前例がありません」「法律に書いてありません」「私の所管ではありません」と言って拒否してしまうのが前例主義です。しかし、前例のないこと、法律の想定しなかったことが起きたときには言い訳にもなりません。想定外の災害を前にした場面に、官僚の能力が試されたのです。私たちは「これまでの経験に縛られるな」を合言葉にしていました。
行政の転換(対象の中心をモノから人へ)、官僚の底力、変化する課題
「情報収集」通信手段が破壊され人員も欠く中で、本部が「何でも引き受ける」という姿勢でたらい回しを防ぎ、情報の集約を図られました。
「判断」と「指示」刻一刻と被災者の徒労も蓄積する中で、瞬時の判断を行い、責任者がしっかり責任を持つことで言いっ放しもなくなり、指示の完結を図られました。
新しい分野への行政の取り組み
被災者の孤立防止のための見守りやコミュニティの形成支援はこれまで家族や地域に委ねられていました。今回はNPOとの協働、支援企業への仲介などが行われました。
自治体や公務員への期待
刻々と変化する時代にある中で、新しい課題をいち早く認知し、対応を自ら考えなくてはならなくなりました。法律によって与えられた任務を遂行するだけでなく、新たな課題を発見する広い視野と柔軟な発想が今、公務員に求められています。
集団討論議題 その2 ベーシックインカムの導入の是非について
こんにちは。
皆さんGWは楽しく過ごされましたか?
では、スイスでベーシックインカム導入に向け国民投票が予定されるなど今話題の「ベーシックインカム」ですが、導入の是非について討論してください。
1 現状の問題点
まず、このような制度が検討される社会の問題点は何でしょうか?背景を考えてみましょう。
派遣や非正規などの貧困の問題があります。これらの労働者は安い給料で酷使され、結婚や出産なども困難な状況となっています。また生活保護者の増加により社会保障費がかさんでいます。生活保護費をもらっていない人のほうが貧困であるという問題もあります。頑張って所得を増やすと受給額が減少し貧困から抜け出せないという面もこれに付随しています。生活保護をめぐるピンはね業者などの問題もあります。こうした頑張っても報われない人々を救済する手段として「ベーシックインカム」が検討されていると思います。
2 ベーシックインカムとは
ベーシック・インカムとは、就労や資産の有無にかかわらず、すべての個人に対して生活に最低限必要な所得を無条件に給付するという社会政策です。
ベーシック・インカムの大きな特徴は、以下の2点。
・社会保険など従来の所得保障制度が何らかの受給資格を設けているのに対し、これは無条件で給付する。
・生活保護などは世帯単位の給付制度であることが多いが、こちらは個人単位を原則とする
3 ベーシックインカムのメリット・デメリット
メリット
貧困への対策
社会保障制度の簡素化
これにより1階建て、2階建てと複雑になっていた年金や受付拒否が問題になっていた生活保護などが一元化されます。これら事務も簡素化でき職員の削減も成し得ます。
仕事の多様化
これにより労働者は嫌な職に就くことを辞めることができ、ボランティアや余暇活動から新しい仕事や起業へと仕事が多様化することが考えられます。
ブラック企業の減少
労働者は残業までする必要はなくなり、サービス残業や従業員を酷使する企業は淘汰されます。安い給料の派遣や非正規のある企業も仕事に就いてもらうには給料を上げなくてはならず派遣・非正規の問題も解消されます。
デメリット
労働意欲の低下
労働意欲が低下してしまい、働かない人が増えてしまうのでは、と考えられています。
手厚い補償の是非
果たして本当に一律給付でいいのか、特に保護すべき人には特に手厚い保障をすべきでないか、とも考えられます。
競争社会の破壊
また導入を検討しているとされるのはスイス、フィンランドですがアメリカやドイツが検討していないのはどうしてでしょう。競争社会が破壊されてしまうと考えているのでしょうか。
4 ベーシックインカムの課題(財源の確保)
デメリットよりもメリットの方が大きいようにみえるベーシックインカムですが、全国民に支給するとなれば、莫大な財源が必要になってきます。その財源はどこから確保すればいいでしょうか?
相続は不労所得だから相続税を100%にすればいいという意見もあるようです。しかしそれは平等主義を徹底し過ぎで導入の背景を無視していますので私は反対です。導入により年金・生活保護などの社会保障費がなくなる訳ですからそれらの費用及びそれに関する事務手続き削減に伴う人員削減などから捻出するのが妥当です。場合によっては自治体の市営アパート等設備売却、過疎地支援などを廃止することも考えられるのではないでしょうか。
5 所見
実際には既にある生活保護などの利権をなくすのは大変困難で、導入は難しいでしょう。気をつけてほしいのはあくまで低所得者の救済という現状課題に対する提言で、現制度に新たに制度を追加するのではありません。私はベーシックインカムに賛成なので好意的に書いています。年金や生活保護に対して十分な解決策がみえず特に若年層は将来に不安です。ベーシックインカムはこれらを解決する一つの制度といえます。また労働意欲も低下しないのでは、と思います。ワーカホリックな人もいますし、好きな仕事をすれば皆格段に生産性は上がると思うからです。しかし本当に一律で良いのか、手厚い補償をしなくて良いのかは難しいです。そもそも「平等」や「社会保障」とは、から考えてみる必要があります。それに競争社会が破壊されるかはやってみないと分かりかねます。さぁ、皆さんはベーシックインカムの導入をどう考えますか?
ここでは取り上げませんでしたが、「セーフティネット」との違いは何でしょうか。
自治体の目玉施策を考える その4 FC岐阜支援について 岐阜市
こんにちは。
今回、下記ニュース記事を拝見したのとFC岐阜と岐阜県の特殊な事情を考えて取り上げました。
ある自治体における騒動
記事によると
松本市が2000万円を運営母体である株式会社松本山雅に出資したのは一営利企業への支援であり、市財政に損害を与えたとして住民グループが市長と副市長を背任罪で告発している。その後2014年2月に松本市に対して住民監査請求が提出・受理され、4月に監査結果が通知されました。
Jクラブと自治体の関係
http://www.jleague.jp/img/about/document/jnews-plus/014/vol014.pdf
Jクラブと自治体によるまちづくり
https://www.jeri.co.jp/solutions/pdf/solution_01.pdf
Jクラブの存在が地域にもたらす効果に関する調査
これらによれば、Jクラブ活動によって自治体はイメージアップや宣伝を行え、青少年の育成やコミュニティーの形成、まちづくりへの発展・寄与が得られる。したがって、自治体がJクラブに資金を投じることに一定の意義がありそうです。
FC岐阜にみる自治体の支援
http://mainichi.jp/articles/20150501/ddl/k21/050/123000c
上記毎日新聞より
クラブハウスは岐阜市が総事業費約3億円で北西部運動公園(同市曽我屋)の西側約3000平方メートルに建設する計画を進めており、今年度当初予算に2億6572万円を計上。6月に着工し、16年1月末までの完成を目指している。県市長会は4月30日、今年度初の会合を開き、サッカーJ2のFC岐阜を支援するため、J1ライセンス取得に必要なクラブハウスの機能整備費用として2000万円を助成することを決めた。
岐阜)FC岐阜入場券など半額割引 県が支援に国交付金:朝日新聞デジタル
FC岐阜の実情
FC岐阜は2008年のシーズン終了時には3億366万円の累積赤字と1億4,616万円の債務超過でした。
このため、岐阜FCは2008年シーズン終了後にJリーグより公式試合安定開催基金から5,000万円の融資を受けています(ザスパ草津に次いで2例目)。
さらに2012年6月20日、岐阜FCは2012年シーズン終了までに1億5,000万円の資金が不足し、7月末までに1,000万円の資金ショートが発生するとの見通しを示していました。何とか資金ショートは回避できたものの、Jリーグは経営が悪化している岐阜FCについて2013年度のライセンス交付に厳しい姿勢を示していたが、J2ライセンスの交付を受けました。その後Jトラストなどの支援を受け現在に至っています。(ウィキペディアより)
岐阜県という特殊事情
岐阜県には岐阜市や大垣市を要する西濃地方と多治見市などの東濃地方、高山市などの飛騨地方があります。多治見に在住する友人らに聞きますと岐阜市へ行く機会は稀で大学入試のセンター試験で行くぐらいなんだそうです。確かに多治見市から岐阜市へはローカル線の太多線か名古屋経由で行くしかなく1時間ほど掛かってしまいます。他方、多治見市から名古屋市へ30分足らずで着いてしまい、名古屋市のベッドタウンとなっています。高山市などでも北陸新幹線の開通により以前にも増して北陸からの観光客が多いようです。「ハゲタカ」で有名な作家の真山仁さんも(以前新聞社で岐阜支局に在籍)岐阜県は東濃地方は名古屋の方を向いていて、飛騨地方は北陸の方を向いている、特殊な県というようなことを語っておられました。
まとめ
上述のとおり、現在ではFC岐阜は債務超過状態から脱していますがそれはJトラストや恩田さんが私財を投じた結果に過ぎません。今後継続した私財の投入は困難でしょう。そもそも赤字であるのは市民などから地元チームとして定着しておらず観客収入が得られていないことが要因のように思われます。
また岐阜県内が一丸となっていないことも大きいことのように思います。真山さんがおっしゃるように東濃地方や飛騨地方が西濃地方を向いておらず、そっぽを向いていることは地理的状況によるもので普遍です。そうだとしたらFC岐阜が県全体のコミュニティーの形成やまちづくりに寄与するというのは幻想にしかすぎないのです。
確かクラブハウスが整備されていることはJ1昇格の条件だったと思います。数週間前にはJ2最下位争いをしていたのですから、気が早い気が・・・。岐阜市で思い出すのは織田信長の黄金像を青年会議所が建てようとして資金が足りず建設途中で募金運動をするという光景です。今回は予算内で建設されますから大丈夫でしょうが昇格が出来なければ無駄遣いに終わってしまうでしょう。また県の入場券の割引に交付金を使うことも一部のファンに公金が直接いきわたり平等でなく、公金が西濃に偏って使われる点でも公平でなく問題のように思います。
集団討論議題 その1 終末医療をどう考えますか(医療・福祉職も)
こんにちは。
今回は集団討論のテーマとなるような議題を取り上げたいと思います。では、
日本では高齢者が終末期に食べられなくなると、点滴や経管栄養(鼻チューブ、胃ろう)で水分と栄養が補給されます。本人は何もわからないだけでなく、とても苦しいたんの吸引をされ、床ずれもできます。栄養の管を抜かないように手が縛られることもあります。人生の終わりがこれでよいのでしょうか、自らの意見に理由を付けて述べてください。
世界各国では終末期は点滴や経管栄養は行っていません。スウェーデンでは、肺炎は高齢者の友達なので抗生剤を使いません。おしっこが出なくても利尿剤に手を出さない。看護師が血圧や尿量を調べることもありません。行わない医療として、このほか昇圧剤、点滴、経管栄養、血液透析、人工呼吸器装着があります。オランダの施設で「なぜ、点滴や経管栄養をしないのか」と宮本夫妻が尋ねると「倫理です」と当然のような言葉が返ってきました。オーストリアでも「食べないのも患者の権利です」と断言されました。欧米で点滴や経管栄養をしない理由として(1)尊厳の尊重、即ち倫理であり(2)本人の意思(3)医療費の抑制の3点を宮本顕二さんは挙げます。日本では、医療保険で緩和医療がガンとエイズに限定されている制約が大きい、と指摘する。
所見
以前に「欧米に寝たきり老人はいない」を読んで、こんなにもヨーロッパと日本の終末期の捉え方が違うんだと衝撃を受けました。それからナラティブホームの佐藤先生の本や「暮らしの中で逝く」も読んでみました。日本では親の年金を自らの生活費やローンの足しとしている人も多くて長生きしてもらわないと困る点や医薬業界の戦略などが薬漬け、寝たきりの背景にあるようです。他方、ヨーロッパのような自然死では本当に老人が安らかに逝かれるようです。私も老後はそんな風に扱ってもらいたいな、と考えてしまいました。もちろんどっちが正でどっちが悪という二者択一の問題では決してありません。考え方の問題です。しかし、今日本に当たり前にある終末医療の考え方を少し穿ってみる、というか改めて客観的にみて人間らしいのかどうか、考えてみることは良いと思います。確かに、日本では本人の意思をどう確認すべきか、どこまで医療を行わないべきかの判断はどうすべきかなど、まずは法整備や指針などが必要になってくるでしょう。
暮らしの中で逝く -その〈理念〉について- (ホームホスピス「かあさんの家」のつくり方《2》)
- 作者: 市原美穂
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- 発売日: 2014/09/15
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さて、皆さんはどんな人生の終わりを望んでいますか?
皆さんが第一希望の公務員となれますよう、心から祈っています。
乾晶